電報を送った。
電報を送るのは人生初だ。申込サイトを開いて、しばらく理解できなかった。
ステンレスのカップ、五徳のような金具、花、手提げ袋付き?
僕は電報を送りたいんだけど。
クリックして分かった。これはおまけだ。メッセージを印刷した紙にコップがついている。コップに印刷してくれるわけではなかった。
電信が発明されたとき、電話機がない人にメッセージを伝える方法として通信の内容を「印刷して持っていく」ことにしたのが電報である。分かる。古い映画を見てもその重要性は分かる。
だが、あらゆる場所と人が通信で直接つながっている時代にそのメディアが残っているのがすごいし、その方法が「コップをつける」だった。
まさかだし、その手があったかと感心する。素直に勉強になる、と思う。
LINEも電子メールも印刷していい台紙に貼ったら多分いいものになるだろう。花がついていたら嬉しい。アナログレコードがインテリアとなっているのにもちょっと通じる話ではある。古いメディアは鑑賞される。武将の手紙は額に入れられる。
あ、そうか、石碑だ。
石碑もメッセージとしては「うれしい」「完成しました!」ぐらいだが、重そうに鎮座して300年ぐらい平気で経っている。
そう考えると冒頭の電報は石碑への過程だし、むしろ石碑にしてくれる電報があったら絶対に頼む。